売るための広告はなぜあんな表現なのか?
- 作者: 後藤一喜
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/06/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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レスポンス広告の正体は実は広告ではなく販売であり、小売りの一形態なのです。
インターネット広告においても、最初にブランドを出してしまうと効率が落ちる、プッシュ型ではなくプル型のコミュニケーションにした方がよい結果に結びつきやすいといった話をよく耳にしますが、レスポンス広告の場合もまったく同様です。
アパレル通販のカタログにおいても、売れるのはモデル着用写真の商品ばかりで、洋服だけを撮った写真の商品は売れません。つまりモデル写真は、ブティックにおける姿見と同じで、鏡に映ったお客様自身のイメージなのです。
著者を存じ上げないのだけれど、読むと、これが長年の経験から導かれた結論なのだなあということがひしひしと伝わってくる。理屈が空回りしていない。実際、ダミー広告を何パターンか作ってどのバージョンが、どうダメなのか、それはなぜかということが次々と書かれていく。しかも、従来型の広告思考から抜け出せない同僚や広告主をどう導くかの具体的方法論まで書かれている。煽った内容、過度に単純化した内容もほとんどない。著者いわく、レスポンス広告は店舗であり、バーチャルな会話が(店員と)行われるところであり、道を行く通行人にどう振り向いてもらい、会話をし、購入にいたってもらうかがポイントと。まさにその通りだと思う。