リア充は、同意する?
好きなライター、マルコムグラッドウェルの著書「第一感(原題blink)」から。
即興芝居を可能にしているルールのうち、特に重要なのは「同意」だ。物語やユーモアを創作する場合、登場人物がその場で起きたことをすべて受け入れると、やりやすくなる。
下手な役者は、演技力はあっても物語を止めてしまう。うまい役者は物語を進める。
うまい役者の即興芝居は、まるでテレパシーが通じているみたいだ。あらかじめ打ち合わせてあったみたい。相方の台詞を決して否定しない。ふつう、人はそんなふうに行動しないものだ。
なんていうか、これを見てノリというものについて考えてしまう。たまに、自分よりテンションの高い軍団と一緒に遊んだりすることがある。特に合コンなどでチームを組んだりするときに、仲間が、自分の想定しなかった角度からボケやツッコミを振ってくることがある。このときに、上記の即興芝居の考え方でいうと、同意しなければいけない。たいてい、「えっ」と一瞬引いてしまったり、「いやいや・・」とか黙ったりとかしてしまう。これが「ノリの悪さ」だと思う。複数のグループのノリの違いを乗り越えて、どのグループでも愛されるキャラは身の回りにいたりするが、彼らは確かに「否定」しない。「同意」する。変なツッコミが来ても、それを引き受けてしまう(典型的なのはノリツッコミ「そうそう○○で・・・っておい!」)。ノリのいい人を見ると、どうやって一瞬で返しを考えているんだろうと思ってしまうことがあるが、まあ経験の要素はあるだろうけど、たぶんこの「同意」というものが大きいだろう。で、これは煎じ詰めれば育ち方(自己防衛的な態度をとるような育ち方をしてきたかどうか、とか)と関連しているだろうし、たぶんリア充とか非コミュというものとも関連してくると思われる。