立場と論点

確か大学入試の頃だったと思うのだけれども、小論文試験でこんなことを書いた覚えがある。

議論というのは論と論を戦わせるものであって、それを発する個人と個人を戦わせるものではない。議論においては、その参加者の中に個人と論を切り離すことが(身体的実感として)できていない人がいると、成立しない。欧米では論と個人は切り離されることが多いが、日本では論と個人は同一のものとされるため、議論の対立は必然的に感情的な対立(個人的対立)となる。この、個人と論が不可分になっている独特の状態を、「立場」という。

なぜ当時、変な日本人論に結びつけてしまったのかわからないが(そんな証拠でも持っていたのだろうか)、最近このあたりがまた気になり始めている。