仕事の競合はゲーム

仕事における「やりがい」と、ゲームにおける「楽しさ」は、かなりのところ似ているのではと思う。そういう意味で、仕事とゲームは競合関係にある。なんらかの目標があって、自分なりの努力を投入して、そしてフィードバックがある。目標の大きさや難易度、フィードバックのあり方がうまく設計されているとゲームも仕事も楽しい(やりがいがある)と感じることができる。ゲームの場合、そのバランスを専門家が必死になって設計している、だから仕事は競合相手として分が悪い。しかし仕事をしなければ飯は食えないので、取りかかりの強制力という意味では仕事が優位にたつ。ところが仕事をしなくても飯が食える人にとっては、うまく設計されているゲームの方が取り組むモチベーションが高くなる。ニートの誕生である。しかも多くの企業においては、ある程度の経験を積むまで権限が与えられず、単純作業の繰り返しになるので(延々とスライムと戦い、レベルが上がらないような感じ)、仕事を始めてしばらくはゲームの方が圧倒的に楽しい。取り組み始めた人(新人)にも彼らサイズの権限が与えられ、それに対してうまくフィードバックを設計し、段階的に目標を大きくしていくようなことができれば仕事がゲームに勝つことができるかもしれないが現状そういうことも難しそうだ。ゲームクリエイターの知を、若手の仕事設計(教育というか、まあマネジメント)に移植できればうまくいくのかもしれない。