人が変わるということ

知り合いの美容師と話す。もともと小さな、家族的な暖かいお店で働いていたのだが移ってカリスマ系の大きなお店に入った。技術はすでにあるとはいえ制度上見習いになるらしく、髪を切ることができるのは閉店時間後。朝9時から働いて、終わるのは25時とか。忙しそうだ。「でも○○(私)もそんなもんでしょ?」それはそうなのだが・・・
閉店時間後に彼のようなアシスタントは知り合いなどを呼んでカットの練習をする。店長などはいないのでゆるい雰囲気といえばそうなのだが、入ってみると、なんというか上を目指す人たち独特のピリッとした、どこか殺伐とした雰囲気がすぐに伝わる。今をときめく都心のカリスマ店なのでみんな派手でおしゃれなのだが、あの真剣な感じと組み合わさると不思議な印象を受ける。「今は仕方なくこういう感じだけどガンガン前に進みますよ。」はっきりとそう言う彼の言葉を聞いて、何となく自分がいまぬるい環境にあるのではないかと不安になってきた。彼は痩せて、以前乃家庭的な店にいたときと明らかに雰囲気が変わった。人は環境との相互作用で生きていく。環境を選ぶことも、ひとつの才能というか、大きな選択なのだなと改めて思った。