「俺(私)こそは一番あたまがよくなくてはならない」

この前、「いままでで一番よかったクライアントは」という話になり少し考えた。というのは、みな知的能力のベースが高くちゃんと考えているのだが、なんとなく妙な、腑に落ちない感覚を受けるクライアントがいくつかあるのだ。大企業で、個々人のレベルも総じて高い。でもなんとなく、「この企業は上限があるな」と感じてしまう。それは何でだろうと考えていたのだが一つ思い当たった。
「俺(私)こそは一番あたまがいい」というメッセージを発しているのだ。
もちろん彼らはそんなセリフを直接、口に出して言ったりはしないし、聞いてもそんなことは言わないだろう。でもなんとなく感じてしまうのである。おそらく、もっと突き詰めて考えると、正確にはこうではないかと思う。
「俺(私)こそは一番あたまがよくなくてはならない」
自発的に言っているというよりは言わされている、なんだか強迫観念的なものを持っている、そういう感じである。どんどん推測を重ねてしまうが、「あなたこそは一番あたまがよくなくてはならない」というメッセージを受け続けた経験があるからそうなってしまっているのではないかと思う。ある種の病ではないだろうか。あたまがよくなければならない、というメッセージを彼らに繰り返し発し続けた主体はいったい誰なのか、それはわからないが、そのことによってかえって彼らはある種の呪縛にとらわれているのではないだろうか。
という話を同僚にしたら「人の振り見て何とやらだな」といわれた。