気が利いた視点

あるデザイナーとタクシーに乗った。彼は私より若手なので、タクシーを止めてくれた。そのときの図。

信号待ちをしている、図のピンクのタクシーを止めようとした(黄色はほかの車)。そのとき、「あ、さすがデザイナー」と思った。というのは、彼は下図左ではなく、右のように立ったのだ。

右と左で、その後どうなるか考えてみるとわかりやすい。

こう書くと普通だが、要は渋滞を生み出さないということか。別に私やタクシーの運ちゃんではなく、ほかのドライバーに気を使ったのだろう。彼は運転免許も確か持っていないので、経験というよりは想像力によって判断したのだろう。こういう、物事の外延に敏感であることは、デザイナーの場合とても重要だ。「デザインは思いやり」といったのは織咲誠だったか、まあとにかくこういう気の利かせ方は仕事上も重要だし、デザインにおいてもとても重要だ。デザインを「見た目を整えること」だと勘違いしていないことに好感。